2018年06月11日
三河黒七輪(木炭コンロ) 火消し壷のすすめ

先日紹介しました、黒木炭コンロ、通称「三河黒七輪」
職人さんと奥さんが二人三脚で丹精込めて作る逸品です。
スチール製品全盛なので、今どきではないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、知られていない魅力が沢山あります。

ここで吸気量を調整するのですが、金属製よりずっと長持ちしますし、変形してガタピシになり、開閉し難くなるなんてこともありません。
ただし、長年使っていると摩耗し、外れてしまうことがあります。
そっと置き、そっと動作させる方も居れば、金属板などで隙間を詰めて使う方も。
何れにしてもその頃には、すっかり愛着がわいて本体が壊れるまでどうにかして使ってやろうなんて思っていることでしょう。
さて、使い方やメンテナンス方法をといきたいところなのですが、真っ先にお勧めしたいのが「火消し壷」です。
不動のバイクを入手し、何とかしてエンジンを掛けようと頑張っている方を時折見かけます。
キャブレーターを洗ったり、プラグやエアフィルターを清掃したり…
そんな時私は、先ずはブレーキ系統を点検しましょうと勧めます。
エンジンが掛かってしまうと、嬉しくなって直ぐにでも乗り回してみたくなるものですが、保安パーツに不備があると大きな事故に繋がりかねず、時には自身だけでなく、他人をも巻き込む可能性があるからです。
私にとってはそれと同じような感覚で、七輪に限らずBBQコンロをお使いになる方も、出来れば本体と併せて火消し壷の類を揃えていただきたいと思っています。

火消し壷には色々な種類があります。

火熾しとセットになった物。
火熾し部分へ消し炭を入れ、そのまま火消し壷へ収納してしまうことが出来ます。
我が家ではお蔵入りしてしまったのですが、その理由は台座とフタのロックを兼ねたパーツの脱着が面倒、そして数回の使用で火熾しが随分ヤレてしまったからでした。この辺りは好みの問題と言えます。

七輪用にと買い求めた1,000円程度の陶器製品。
レビューで割れてしまったという方が結構居たのですが、灰を入れておかなかっただろうと高を括って購入しました。
灰は断熱材になり、本体へのインパクトを最小限に抑えてくれます。
しかし、灰の量が足りなかったのか、数回の使用でヒビが入り、粉々になってしまいました。私感ですが灰の量の問題ではないように思えます。
もう少し値が張る商品があり、ずっとしっかりしていますので、最初からそういう商品にしておけばと悔やまれますが、しっかりしている分重いので、取り扱いや持ち出すことを考えると、家に土間でもアリ日常的に使うのでしたらアリですが、私のように週に数回程度の使用、そして出来れば持ち出すことも出来ればというユーザーには向きそうもありません。

色々使ってきたのですが、ようやく落ち着いたのが画像の2種類です。
備長炭が入っている物はもっぱらストック用。後生大事に取り出しては使っています。
大き目の炭が入っている物はBBQコンロ使用時に持っていきます。
これだけでは足りないことが多いので、炭は別に準備し、終了時は本来の火消し壷として機能します。
一番小さいLOGOSのポータブル火消し壷は、一番使用頻度が高いです。これより大きいマイティー火消し壷という物もあるので、大き目のBBQコンロをお使いになる方は、こちらの方が良いでしょう。
このように、火消し壷とは言いますが、ストッカーとしての役割も果たしてくれます。

七輪で楽しむのもそろそろ終盤という頃、大き目の炭を火消し壷へと移します。
使っていない炭が残っていても、空気を遮断してしまうので燃え移ることはありません。

あまりにも細かい物は燃え尽きるのを待ちます。

たったこれだけの炭でも、ししゃもやソーセージを炙る程度なら十分です。

急いでいる時は細かい物も火消し壷へ入れてしまいますが、未使用の炭の上にサイズが合う丸缶(お菓子の空き缶など)を入れ、その上へ載せれば、細かい物でも次回着火用として使いやすいです。

この缶の直径が13cm弱

こんな具合に納まるのですが、出し入れする際火消し壷のハンドル先端が引っ掛かるので、その都度広げなければなりません。
12cmくらいでしたら、ストレスなくお使いいただけると思います。
さて、ここまで市販品について書いてきましたが、正直言いますと「タダの物」も併用しています。特に自宅使用の際は、搬送や蓋のロックは気にしなくて良いので、酸素を遮断できる物でしたら色々使えます。

真っ先に思い浮かぶのが丸型飯ごうの類。
火消し壷よりずっとリーズナブルで、大きさも手ごろな物が多いです。
しかし、素材がアルミですから融点は660℃程度、温度は下がる一方ですし熱伝導率が高いアルミですから空冷効果も期待できるのですが、炭の安定燃焼時の温度の方が高い(黒炭700〜900度/白炭600〜800度)ので、精神衛生上あまりよろしくありません。
LOGOSの火消し壷もアルミ製ですが、厚さが全く違います。メーカーでもその辺りの検証はしっかりされていると思いますし、不具合を感じた事は全くありません。
ペンキ缶なんか持ち手も付いているし気密性も高そう。
そんな風に思えるのですが、空気の膨張でボンと開くことがあります。

市販品のように、空気の膨張に負けないロックが付いているか、いっそ多少ガタピシしているかですが、気密にはあまり拘らずとも、普通に消えてくれます。
私も、LOGOSのポータブル火消し壷に落ち着くまでは、自宅ではこんな物も使っていました。

さて、内部での延焼も無く綺麗に消えてくれました。
「消し炭は火が点きやすく次回使用時に楽」、良くそう言いますよね。
炭が安定燃焼を始めると、炎はほとんど立たず、芯の方迄真っ赤になり燃えます。
この状態で消すのですから、炭は奥の方までそこそこ燃え、最初に比べるとたいぶスカスカし軽い状態になります。
備長炭より密度が低いナラの切炭やマングローブ炭が火を付けやすいのですが、それより更に密度が低く酸素が入り込むのですから、火が点きやすくスタート時の使用にはもってこいという訳です。
資源を大切にできる
消し炭で次回着火が楽々
燃えている炭を除けるのでコンロの温度を短時間で下げられる
そんなメリットがあります
冒頭で、「BBQコンロをお使いになる方も、出来れば本体と併せて揃えていただきたいと思っています。」と書きましたが、砂浜へ燃えている炭をそのまま埋めて投棄し、知らずに踏んでしまったお子さんが火傷を負ったなどという痛ましい事故もありました。
「炭や焚火の燃えカスは土に還る」なんて甚だしい勘違いをしている人も居ますが、木というのはそんなにヤワな物ではありません。持ち帰れば資源ですが、捨てればゴミ以外の何物でもありません。
より多くの方に、資源に、自然に、懐に優しい「火消し壷」をお使いいただけることを願っています。
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