2016年05月17日
川や湧き水から飲料水を調達 Part.6 SAWYER(ソーヤー) スクィーズフィルターで濾過できる物
2016/04/21
2016/04/21
2016/05/16
2016/05/16
2016/05/17 このブログです
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販売開始以来、幾つかの質問が寄せられています。
使い方や性能面は、今までの記事に出来るだけ盛り込むようにしてきましたので割愛させていただき、主としてブログへ掲載した以降、寄せられた物をピックアップしたいと思います。
Q.1
フィルター孔の0.1マイクロメートルってどの位の大きさですか
A.
1μm(マイクロメートル)=1μ(ミクロン)=1/100万メートルです。
もう少し実感が湧く表示にすると、1μmは1/1000mmなので、公示されているフィルター孔0.1μmは1/10000mmということになります。
同じμという文字を使っているので紛らわしいのですが、以前良く使われていたμ(ミクロン)も同じサイズです。
Q.2
ウーロン茶を浄水フィルターに通してもほとんど色が変わらない記事を見ました
A.
色素という言葉を使うと大変複雑で専門的な話しになりますので、プリンターなどでお馴染みの染料・顔料を例に挙げますが、鉱物を粉砕するなどして作られた顔料は、染料より大きめの粒子で、種類によってサイズはバラバラです。
EPSONプリンターのPXシリーズなどで採用されている顔料インクの平均粒子径は、0.1マイクロメートルと公示されていますが、目的を考えると顔料の中でもかなり小さいサイズだと思われます。浄水フィルターの孔はそれが通るか通らないかというサイズですので、大抵の顔料は取り除くことが出来ます。
一方染料は植物由来の絞り汁などで、1ナノメートル(1/100万分mm)程度とされており、フィルター孔の1/100という極めて小さいサイズですので、濾過されずすり抜けてしまうのです。
極端な表現になりますが、石などが粉砕された物が混じった水=泥水は、かなり粉砕された状態でも顔料と同じかそれより大きいので浄水フィルターで濾過し取り除くことができますが、そこに踏みつぶされた草の汁などが混じれば、染料と同じで素通りして色が残ってしまいます。
ウーロン茶の色は言うなれば染料ですので、色が残ってしまいます。
Q.3
臭いを取り除くことはできますか
A.
SAWYER(ソーヤー)浄水フィルターは、水に溶け込んだ重金属や科学物質を除去することができません。
除去できるは出来ないかは、原因となる物がフィルター孔より大きいか小さいかということに因り、臭いの元となるアンモニアや酢酸などは素通りしてしまいます。

以前珠洲の海で汲んできた水から塩を作り、その際コーヒーのドリッパーで不純物を取り除いたことがあります。ペーパーフィルターはSAWYER(ソーヤー)浄水フィルターよりずっと目が粗いのですが、一回通しただけで磯臭さがすっかり抜けました。
粉砕された海藻などは、このレベルでも取り除くことができますので、臭いの元となっている物によっては、低減させたり除去することができると言えます。
Q.4
海水を真水にすることはできますか
A.
臭いの除去と同じく出来ません。
東レをはじめとする様々な繊維メーカー等で懸命に開発していますが、市販レベルで製品化されている物は無いと記憶しています。
Q.5
雨水貯留や池の水はセシウムが心配なのですが除去できますか
A.
専門家ではありませんので、あくまでも参考ということでお願いします。
大気中の放射性物質は、約0.01~10μmでガス状。分布のピークは0.1μm前後で、時間経過経過と共に粒子は0.7~0.8μm程度になり、1μmくらいになると地上へ落ちてくるそうです。
これだけ見ると取り除くことができるそうに思えますが、水に含まれた時はこの限りではありませんし、セシウムが除去できる市販の逆浸透膜(RO)式浄水器の孔は0.0001μm程度だそうですから、桁が全く異なります。「できません」とするのが妥当だと思います。
Q.6
腐った水を浄水して飲めますか
※具体的に、田んぼの水を引き込むあたりで淀み、腐っている可能性がある水ということで質問を受けました。
A.
微生物が人間に有利に働く事を発酵と言い、人間に不利に働く事を腐敗(腐る)と言います。
大腸菌などの細菌が1~3μm/酵母は10μm/カビは100μm/ブドウ球菌は0.5〜2μm/馴染みがある乳酸菌は2~4μmです。
こうして見ると、水を腐らせる、正確には水に含まれる有機物を腐らせる原因菌は、大腸菌よりも大きめの物が多く、大腸菌・コレラ菌・サルモネラ菌などのバクテリアを99.99999%除去できるSAWYER製品で浄水すれば飲めるといえますが、出来るだけ上質な水源から取水するのが好ましいのは言うまでもありません。
菌よりずっと小さいウィルスは除去することができませんが、ノロやロタといったウィルスがまん延しているような所は、そもそも水源として成り立たず、浄水器云々以前の問題です。
今後、怪しげな水を汲んで浄水してみるような、体を張った実験はしませんが、メーカー公示のスペックや前回までの実験で、この製品に対する信頼度はかなり高くなり、様々な場所でのキャンプや万が一の災害時、頼もしいアイテムになってくれそうです。
SAWYER製品の紹介はこれにて一区切れとしますが、店頭にはSP131を常備してお待ちしております。機会がありましたら是非お使いになってみてください。
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