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2021年12月16日

■重要■ 一酸化炭素中毒について

2017年3月掲載した記事の再投稿・加筆

テントやシェルターへ薪ストーブをインストールする方が増え、時には健康や生命にも関わるような危ない使い方をする方や、誤った情報を流す方が増えたため、以下のような記事を別のブログへ投稿しました。

■薪ストーブの安全対策 知っておきたい大切なこと

薪ストーブの話題が出ると、必ずといっていいほど、一酸化炭素中毒についての話題が出ます。

注意を喚起するのは大切な事ですし、業界的にも非常に有り難いことなのですが、誤認識が多いのも現状ですので、少々厳しい口調になるところもあると思いますがご容赦ください。安全に楽しく運用していただきたい一心ですので。

(1) その一酸化炭素警報機は設置場所が間違っています

(2) 薪ストーブは皆さんが思っているより安全です

(3) 一酸化炭素中毒と酸欠(酸素欠乏)は違います

先ずは、(1) その一酸化炭素警報機は設置場所が間違っています

薪ストーブの話題になると、一酸化炭素警報機を使いましょう!と、注意喚起される方がいらっしゃり、もちろんとても大切な事なのですが、ご本人が正しく理解していないと思われる時がしばしば有ります。

例えば、一酸化炭素警報機を、テーブルの片隅に置いてドヤ顔している方。
誤った情報により他人を危険に晒す可能性がある。極端な言い方をすればそんな内容で、警報機をそこへ置き、過信してしまうくらいならば、警報機が無いことで用心し、しばしば気に掛けた方が安全だと思えるくらいです。

一酸化炭素は空気より軽いので、テーブルの上に置いてあっても、警報が鳴った時には後の祭りです。

「火災の時は、姿勢を低くして移動しましょう。」が鉄則ですが、それと同じことです。

中華の廉価警報機に書かれた説明でさえ、天井から10~30cm以内に設置しろとされています。
天井から10cmの距離は、ベッタリ付けてしまうと、鳴りっぱなしになってしまうという可能性があるからのようです。

設置場所は、テーブルの上でも、薪ストーブの近くでも無く、天井の方ですのでお気を付けください。

次は、(2) 薪ストーブは皆さんが思っているより安全です

テントやシェルターで運用する方は、自宅に薪ストーブが無い方のほうが多いと思います。
ですから、心配し過ぎるくらいで丁度良いのですが、薪ストーブ=一酸化炭素が危険というのは誤認識です。

そんなに危険な物でしたら、自宅で常設している方たちは、バタバタとお亡くなりになっているはずです。
もちろん、絶対的な容量の違いだとか、天井からの距離など、シェルターやテントとは全く違いますので、それもあってのことですけれど。

理屈としては薪ストーブよりむしろ、テントやシェルターでBBQコンロなど、炭・練炭・マメタンなどを燃料にする方が余程危険です。
カセットガスコンロやバーナー類も例外ではありませんが、火力の弱まりなどの症状で解りやすい、燃焼を維持できなくなる(消火)、連続運用時間が短いなどの理由で、大事に至らないことが多いだけのことです。

考えてもみてください。

完全燃焼すると二酸化炭素と水が発生しますが、それが不完全だと二酸化炭素よりずっとリスキーな一酸化炭素が発生します。

発生した一酸化炭素は、コンロやバーナーでは室内へ放出されますが、薪ストーブは燃焼して暖かくなった空気と共に、ほとんどが円筒から屋外へと放出されます。ですから、リスクという点では、薪ストーブは他の火器などと比べると、いたって低いと言えるのです。
※比較してのことで、リスクを伴うことには変わり有りませんし、あくまでも通常燃焼していればという前提です。

鉄の仕事屋さんのロケットストーブ RKT2017-xxx 関連記事で、再三クリーンバーンというワードを出していますが、煙や臭いがほとんど無いというのは、不完全燃焼や一酸化炭素発生の一つの目安になるものです。
煙というのは燃える成分で、消火したローソクの煙に火を点けると、それを伝って再点火する実験とした事がある方もいらっしゃると思います。

クリーンバーンは、二次燃焼によりそれらを燃焼させ、エネルギー効率を上げるだけでなく、一酸化炭素中毒のリスクからも私たちを遠ざけてくれます。

きちんと燃えない状況になってしまった薪ストーブは、炭・練炭・豆炭と同様に危険です。
燃えないということは温度が上がらず、スムースに排煙できなくなりますので、排気は室内に充満してしまいます。一酸化炭素を発生させない為にも

・しっかり乾燥した綺麗に燃える薪を準備してください。
・薪ストーブそのものの、構造上の問題が無いか見極めてください。
・換気(吸気)をきちんとおこない、一酸化炭素発生の原因になる酸欠に気をつけてください。

簡単に言えば、どうすればきちんと燃えるかを考えてください。

最後に、(3) 一酸化炭素中毒と酸欠(酸素欠乏)は違います

前項でも触れましたが、一酸化炭素発生の大きな原因として、酸欠が挙げられます。
一酸化炭素中毒に気をつけろ!と言うよりむしろ、酸欠に気をつけろ!と言う方が適切かもしれません。

薪ストーブは凄く暖かいですよね。その分酸素もガンガン消費します。
シェルターやテントがスカスカしていれば吸気には事欠きませんが、それでも追いつかなかったり、四方がスカートで囲まれていたり、降雪で塞がれていたりすると酸欠を起こします。
今どきのファンヒーターはセンサーで自動停止したり、換気サインを出してくれたりしますが、昔ながらのストーブや薪ストーブはそういう訳にはいきませんので、換気(酸素の供給)について絶えず意識しなければなりません。

酸欠は、燃焼不良を起こし、一酸化炭素を発生させるだけでなく、そのものが健康や時には生命に危険を及ぼします。
※数値は酸素濃度
21%:自然酸素濃度(一般的な空気中の酸素濃度)
18%:安全限界/連続換気が必要
6-12%:頭痛・耳鳴り・吐き気
14-9%:顔面蒼白・意識もうろう・嘔吐・チアノーゼ
10-6%:昏睡・意識消失・けいれん
6%以下:呼吸停止・心配停止・6分間で死亡

酸素濃度が18%以下になると
一酸化炭素の発生が急激に高くなります。


厚生労働省の資料はこちらをご覧ください。

一酸化炭素中毒はこんな症状です
※数値は濃度(ppm)
100:数時間の呼吸後でも目立った作用はない。
200:1.5時間前後で軽度の頭痛を引き起こす。
400~500:1時間前後で頭痛・吐き気・耳鳴り等を起こす。
600~1000:1~1.5時間前後で意識を失う。
1500~2000:30分~1時間前後で頭痛・めまい・吐き気が激しくなり、意識を失う。
3000~6000:数分で頭痛・めまい・吐き気等が起こり、10分~30分の暴露で死亡。
10000:直ちに意識喪失/死亡

先の記事で400ppmで警報機が鳴ったと書きましたが、結構危ない状況です。万が一鳴ったら大慌てで処置しましょう。

少し長くなってしまいましたが、一酸化炭素警報機をアテにするより先に、兎にも角にも換気をし、酸欠にお気を付けください。

■重要■ 一酸化炭素中毒について


随分前の画像ですが、Ozpig本体の下に、煙突と同じサイズの穴が開いているのがお判りいただけると思います。
直近で新鮮な空気が取り込めることを期待し、連続稼働時はここへ煙突径と同じサイズのパイプを通します。

昨日の煙突の収納についての記事中で、吸気用の煙突と書きましたが、RKT2017-xxxの吸気口付近に煙突を置き、スクリーンタープの外へと出し、吸気を稼ごうと思っています。

家屋での空気の入れ換えは、換気扇(換気窓)と反対側の窓を開けるのが鉄則ですが、薪ストーブの場合は事情が少し異なります。
薪ストーブの反対側から吸気すると、冷たい空気が室内を駆け巡ることになってしまいますし、排気は煙突を通して直接屋外へと流れますので、換気をする必要はより少なくなります。※むしろ換気扇を回すと煙の逆流などを起こします。

ルーフ部分に排気ダクトがある場合は、適宜開いて一酸化炭素を放出することも肝心です。

■ここから追記

最近、Facebookの車中泊関連コミュニティでも、車内でカセットコンロや暖房器具を使う方が急増。ポータブル電源の普及で石油ファンヒーターを使うなんて方もいます。

自己責任でと取って付けたように書き添え、免罪符のようにしている投稿も散見しますが、健康や生命に関わるようなことを自己責任でやるならば、黙ってやりSNSなどで公然としないことが「公序良俗」なのではないでしょうか。

車中泊も流行り出した頃には、車内でカセットコンロを使用している様子が掲載されると、そのものは写り込まないようにした方が良いのではないかと、お互いに気を付けながら自制していたものですが、今では一言声を掛ける方が居ようものなら、〇〇警察だの自己責任でやっているのだから文句を言うなだのと、猛々しく叫ぶ人物の多いこと多いこと。

河川敷のBBQ禁止やキャンプ場での直火禁止も、そういう人たちの奔放な自己判断が元で規制されてきたもので、自分たちの遊び場を護れない情けない大人、万が一何かあった時の影響を考えられない浅はかな大人が、どんどん遊び難くしていきます。

松本広域消防局との意見交換では、車内での火器利用についての見解を尋ねたところ、非常にビックリされたご様子で、使用自体を想定していないという当たり前の答えが返ってきました。
車で使われている素材は、防炎・難燃性の物が使われていますが、それとて車内での火器使用を想定した物ではありません。

キャンピングカーにはキッチンがありますが、構造要件が定められていて、普通の車では床から天井まで1,600mm以上という基本的な要件をクリアすることすら困難だと思います。

以前投稿した際も、使ってはならない物を使うことを前提にした、一酸化炭素警報器の記事とはどういう事かと聞かれた事がありますが、これだけ大きな流れが出来てしまうと、止める事よりもまず事故を防ぐことの方が先決だと考えてのことですので、よろしくご理解ください。

正しく設置しましょう COを検知する警報器

先ずこれは、業務用厨房の警報器設置場所を示した物です。
吸排気の位置なども参考になると思います。

■重要■ 一酸化炭素中毒について


火器使用環境では天井から30cm、使用しないところでは顔位置。
一酸化炭素警報器の取扱説明書には、概ね同じように記載されています。

■重要■ 一酸化炭素中毒について


リーズナブルなのでお買い求めになった方も多いと思いますし、私も何個か購入したことがありますが、精度が悪かったり、ようやくこれは大丈夫という物が見つかったと思ったら、液晶が表示されなくなったり壊れたり。

命を預けるなら信頼がおけるメーカーのそれなりの物をということなんですけれど…

■重要■ 一酸化炭素中毒について


そんな物でも、設置場所はきちんと(天井から約10~30cmの範囲)示されています。

キャンパーに人気のブランドDOD

DODアウトドア系ブランドでは、いち早く一酸化炭素警報器をリリースしたブランドなのですが、前モデルでは設置場所の明示が無く、最新モデルCG1-559ではどうかと調べてみると、取扱説明書には警告や注意として目立つように記載されていますが、多くは免責のためのもので、相変わらず設置場所の記載がありません。

強いて言うならば、「人が多いリビングスペースや寝室へ設置してください」という一文です。

家屋と違い、テントやシェルターは、空気が攪拌されますので、どこへ置いても一緒になってしまうかもしれませんので、むしろ感度を上げた方が良いのかもしれませんが、基本的な情報はきちんと書いて欲しいものです。

直火での焚き火の不始末もそうですが、メーカーの情報提供などは販売責任の範疇にあると考ており、もう少しシッカリして欲しいなと思いますし、私たちショップもきちんと伝えていかなければならない事だと心掛けています。




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