麦焼酎・青一髪との出会い
「これ旨いな」
焼酎に対する私のイメージを一瞬にして変えた青一髪
それを知ったのは2010年に鳴った一本の電話からでした
長崎にある蔵元の社長が、横浜の展示会に来るついでに、サンドブラスト機器の見学をしたい。
そんな内容でした。
行事や御祝い事に合わせたラベルを印刷するような試みが増えていた頃で、当地松本でもサイトウキネンに関連したオリジナルラベルやお酒がリリースされたりしていました。
電脳工房のサンドブラスト部門へも、お孫さんの出産記念にと一升瓶に命名 ○○と掘ったり、結婚式で両家の家紋と名前を彫ったり、ワインやシャンパンのボトルにお二人の名前と日付を入れたりといった依頼があり、最初はそのようなサービスに対応するためだと思っていました。
ところが、御来社いただき話しを伺ってビックリ、通常3年熟成させる青一髪の一部を、5年熟成させて限定で発売したいのだけれど、そのラベルを全てサンドブラストで加工したいとのことで… 限定とはいっても100本200本ではありません。電脳工房でサンドブラスト部門のスタッフを総動員しても、気が遠くなるような時間を費やすような作業量です。
しかし、久保社長の意志は固く、やることを前提にしてどんどん話しを進めることになりました。
先ずは文字選び
幾つかの候補を全て掘ってみました
筆文字でカスレもあるので、マスクは紫外線で変質するラピッドフィルムという物を使います。
他にも幾つか種類があり一長一短ですが、このフィルムは薬品や水を使わず終始ドライで加工できるので、量が多い時は圧倒的に有利です。
原板を作成
紫外線でフィルムを感光
瓶へ貼付して周囲をマスキング
マスキングとそれを剥がす手間が大変です
サンドブラスターでメディア(アルミナ)をぶつけると、紫外線が当たった文字の部分が固く(脆く)なっているので削れ、瓶がブラストされる仕組みです。
そして出来上がり。
これで文字は確定したのですが、久保社長はどうにもお気に召さないご様子。
「面白みがない」
結局、当日実際に作業していただき、「深彫り」で仕上げることに決まりました。
マスクが飛べばほぼ作業が終わる、フィルムを使った浅彫りに比べ、深く彫って凹凸が出るので趣がある半面、時間が掛かるうえムラにも気をつけなくてはなりません。その作業のほとんどを、社長自らこなすそうですから更に驚きです。
限定の5年熟成ものについての詳細はこちらをご覧ください
http://blogs.yahoo.co.jp/umekaget651/22140271.html
http://www.mimasu-ya.com/kuboshuzoujou.html
赤い「サンドブラスター機器一式」が
久保社長と相談し専用に設計したもの
瓶を傷つけないように木製のスノコにしたり
体格に合わせてスタンドを製作したり
一年だけの試みかなと思っていたのですが
毎年今の時期になると、マスキング用フィルムのオーダーをくださいます。
根気が要る作業をコツコツ続ける久保社長と取り巻く皆さん
青一髪の美味しさは
そんな生真面目さが生み出している
そんな風に感じます
さて、私たちも精進しなくては!
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